ワイモバイルの毎月の請求内訳を見ると、「基本使用料」や「オプション代」とは別に、「ユニバーサルサービス料」と「電話リレーサービス料」という少額の請求があることに気づきます。
「自分はこのサービスを使った覚えがないのに、なぜ払わなければならないの?」
「いつの間にか値上げされている気がする」
そんなモヤモヤを抱えている方も多いはずです。
実はこれらの料金は、ワイモバイルだけでなく、ドコモ、au、ソフトバンク、そして楽天モバイルや他の格安SIMを使っているすべてのユーザーが平等に負担している法的根拠のある料金です。
法律に基づいて全ユーザーが負担しているもの
しかも、この数円の使い道は、私たちの命や生活に関わる非常に重要なインフラを支えるために使われています。
今回は、この「2つの手数料」の正体や、最新の金額推移、そして「払わなくて済む方法はあるのか?」という疑問について、ワイモバイルの最新プラン「シンプル3 S/M/L」の事情も踏まえて詳しく解説します。
毎月かかる「2つの手数料」の金額と仕組み

まず、現在請求されている料金の内訳を確認しましょう。
以前は「ユニバーサルサービス料」だけでしたが、現在はもう一つ追加されています。
1. ユニバーサルサービス料
金額:月額3.3円(税込) ※2025年12月時点
これは、日本全国どこでも公平に電話などの通信サービスを利用できるようにするための費用です。半年ごとに料金の見直しが行われます。
2. 電話リレーサービス料(新しい料金)
金額:月額1.1円(税込) ※2025年度
これは近年追加された新しい料金です。
聴覚や発話に困難がある方が、手話通訳オペレーターなどを介して24時間いつでも電話ができるようにするための「電話リレーサービス」を支える費用です。
これら2つを合わせて、毎月4円〜5円程度が基本料金とは別に請求されています。
他社と比べて高い?安い?
この料金は、総務省令に基づき「電気通信事業者協会」などが単価を決定しています。
そのため、ワイモバイルだから高い、他社だから安いということは一切ありません。
ドコモを使おうが、格安SIMを使おうが、電話番号を1つ持っていれば必ず同額が請求される「全国一律」の料金です。
ユニバーサルサービス料の「値上げ」や「変動」の正体

「なんだか昔より高くなった気がする」と感じる方がいるかもしれませんが、実はこの料金は「半年ごとに見直し」が行われています。
加入電話(固定電話)の契約数や、ユニバーサルサービスを維持するために必要な総費用を計算し、それを携帯電話を含む全電話番号数で割って算出するため、時期によって「2.2円」だったり「3.3円」だったりと細かく変動します。
過去の推移を見ても、2円〜3円(税抜)の間を行ったり来たりしており、極端な値上げが続いているわけではありません。今後もこの数円の範囲内で変動していくと考えられます。
今後もこの数円の範囲内で変動していくと考えられます!
Ymobile(ワイモバイル)でこの料金を「無料」にする裏技はある?
以前の情報では「家族割引サービスを適用すると、副回線のユニバーサルサービス料が無料になる」と言われていた時期もありましたが、最新プラン「シンプル3 S/M/L」ではルールが異なります。
最新プラン「シンプル3」での取り扱い
現在主力のプランである「シンプル3」や「シンプル2」において、家族割引サービス(家族割)を適用した場合、プランの基本料金からは毎月1,100円(税込)という大きな割引が入ります。
しかし、ユニバーサルサービス料と電話リレーサービス料に関しては、割引の対象外となり、副回線であっても個別に請求されるのが基本となっています。
「無料にする裏技」として期待されていた家族割ですが、現在のルールでは「料金そのものをゼロにする」ことはできません。
これはワイモバイルに限らず、ほとんどの通信会社で「SIMカード1枚につき必ず発生するコスト」として扱われているためです。
それでも家族割は圧倒的にお得
「数円が無料にならない」と聞くと残念に思うかもしれませんが、ワイモバイルの家族割は月額1,100円もの割引が適用されます。
毎月数円の手数料を払ったとしても、お釣りがくるほど大きな節約効果があるため、家族で利用するメリットは依然として絶大です◎
そもそも、このお金は何に使われているの?
「たかが数円」ですが、集まれば巨額の資金となり、日本の通信インフラを支えています。
具体的に何に使われているのかを知れば、支払いへの納得感も変わるかもしれません。
1. 命を守る「ユニバーサルサービス」
私たちが支払ったお金は、NTT東日本・西日本に交付金として渡り、以下の設備維持に使われています。
- 110番(警察)、119番(消防)、118番(海難)への緊急通報
- 離島や山間部など、採算が合わない地域での電話回線維持
- 災害時にも繋がる公衆電話の設置・維持
携帯電話が普及した今でも、災害時に基地局がダウンした際、優先的に繋がる公衆電話は「命綱」となります。
また、誰も住んでいないような山奥でも緊急通報ができるのは、この制度によって回線が維持されているおかげなのです。
2. 社会をつなぐ「電話リレーサービス」
新しく加わったこの料金は、耳の聞こえない方や言葉を発するのが難しい方が、緊急通報や仕事の連絡、お店の予約などをスムーズに行えるようにするための「通訳オペレーター」の人件費やシステム維持に使われています。
誰一人取り残さない社会を作るための、大切な「参加費」と言えるでしょう!
まとめ
謎の料金の正体は、日本の安全と平等を守るための「必要経費」
ワイモバイルの請求書にある「ユニバーサルサービス料」や「電話リレーサービス料」は、会社が勝手に徴収している手数料ではなく、法律に基づいて全ユーザーが負担しているものです。
- 金額: 合計で月額4円〜5円程度(時期により変動)。
- 他社比較: どこの会社を使っても同額。
- 無料にする方法: 最新プラン「シンプル3」では基本的に回避不可(家族割でも請求される)。
- 使い道: 110番などの緊急通報、公衆電話、聴覚障害者支援など。
「払いたくない」と感じるその数円が、実は災害時の公衆電話や、誰かの緊急通報を支えていると考えると、少し見え方が変わってくるのではないでしょうか。
ワイモバイルユーザーも、この小さな負担を通じて、日本の通信インフラという大きな安心を支えているのです。


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