かつてiPadを外でインターネットに繋ぐためには、auなどの大手キャリアと高い月額契約を結ぶのが当たり前でした。
しかし、現在は通信業界のルールが大きく変わり、auで購入したiPadをそのまま、あるいは簡単な手続きだけで、驚くほど安い維持費で使い続けることができる時代です。
そもそも「格安SIM」とは、大手キャリアから回線を借りてサービスを提供する「MVNO(仮想移動体通信事業者)」や、大手キャリア自身が提供する低価格なブランドを指します。
auの回線網をそのまま使うため、つながるエリアや品質はauと変わりません。これを利用することで、iPadの利便性はそのままに、固定費だけを劇的に下げることが可能になります。
SIMロック解除の常識が変わった
2016年当時に大きな壁となっていたのが「SIMロック」という仕組みです。これは特定のキャリア以外のSIMカードを使えないようにする制限でしたが、総務省の主導により2021年10月以降に発売された端末では原則として禁止されました。それ以前の古いiPadであっても、現在はWeb上のマイページから無料で簡単にロックを解除できるようになっています。
一度SIMロックを解除してしまえば、auで購入したiPadであっても、ドコモ回線やソフトバンク回線の格安SIMを自由に選べるようになります。もちろん、そのままau回線系のサービスを選べば、アンテナの相性などを気にせず最もスムーズに乗り換えが完了します。
今、iPad運用に最適な「au回線系」サービス
現在、auのiPadを安く運用するなら、かつての定番だった「mineo」や「UQ mobile」に加え、基本料0円から始められる「povo2.0」が非常に強力な選択肢となっています。それぞれの特徴を最新の視点で解説します。
自由度とコミュニティの「mineo(マイネオ)」
mineoは現在も根強い人気を誇ります。その最大の理由は、独自の「パケット放題 Plus」というオプションにあります。これは、通信速度を最大1.5Mbpsに制限する代わりに、データ容量を消費せずに使い放題にできる仕組みです。iPadでYouTubeを流しっぱなしにしたり、Webサイトを閲覧したりする程度であれば、1.5Mbpsという速度は十分実用的です。
さらに、記事内でも触れられていたユーザーコミュニティ「マイネ王」は現在も活発で、新しいiPadが出た際の動作確認情報がどこよりも早く集まります。専門的な知識がなくても、掲示板で質問すれば親切なユーザーが答えてくれるため、初心者にとっての安心感は群を抜いています。
サブブランドの安定感「UQ mobile」
UQ mobileは、現在ではau(KDDI)が直接運営するサブブランドとなっています。そのため、お昼時や夕方の混雑時でも通信速度が落ちにくいという、格安SIMの中でもトップクラスの品質を誇ります。iPadを仕事で使い、大容量のファイルを送受信したりビデオ会議を頻繁に行ったりする方には、ストレスのないUQ mobileが最適です。
最安運用を実現する「povo2.0」
今、最も注目すべきは「povo2.0」です。これは基本料金が0円で、必要な分だけデータ容量を「トッピング」として購入するスタイルです。例えば「たまに外出先でiPadを使うだけ」という月は0円(※半年間に一度は購入が必要)で維持し、「今週末は旅行でガッツリ使う」という時だけ24時間使い放題を数百円で購入するといった使い方ができます。iPadをサブ機として使っている人にとって、これ以上の節約術はありません。
2026年現在のiPad運用コスト比較
以前は月額5,000円〜8,000円ほどかかっていたiPadの維持費ですが、現在は以下の表のように大幅に抑えることができます。
| サービス名 | 代表的なプラン | 月額料金(税込) | おすすめのユーザー像 |
| mineo | マイピタ 1GB + パケット放題 | 約1,650円 | 中速で動画を流しっぱなしにしたい人 |
| UQ mobile | ミニミニプラン (4GB) | 約2,365円 | とにかく高速・安定を求める人 |
| povo 2.0 | 必要な時だけトッピング | 0円〜 | 外で使う頻度が不定期な人 |
| au(参考) | 使い放題MAX | 約8,000円〜 | 手続きが面倒で、お金に余裕がある人 |
これを見ると、大手キャリアのプランがいかに割高であるかが分かります。格安SIMに切り替えるだけで、年間で5万円以上の節約になるケースも珍しくありません。
テザリングと最新技術「eSIM」について
以前の記事では「iPadでのテザリング(iPadをルーターにして他の機器をネットに繋ぐこと)ができるかどうか」が複雑な問題でした。しかし、現在発売されているiPadと主要な格安SIMの組み合わせであれば、設定不要、あるいは簡単な設定(APN設定)だけで、テザリングはほぼ制限なく利用可能です。
また、最新のiPadをお使いであれば「eSIM」という機能が非常に便利です。これは物理的なSIMカードを差し込む必要がなく、画面上の操作だけで契約が完了する仕組みです。これを利用すれば、最短5分でその場から格安SIMでの運用を開始できます。物理カードの到着を待つ必要がないため、思い立った瞬間に節約を始められるのが現代のメリットです。
まとめ:古い固定観念を捨てて、iPadを自由にする
auで購入したiPadを、そのままauの高いプランで使い続ける必要はありません。契約の縛り(いわゆる2年縛り)や高額な解約金も、今の法律では撤廃されています。唯一の注意点は、お使いのiPadが非常に古いモデル(iPad Air以前など)の場合、最新の通信規格に対応していないことがある点ですが、ここ10年以内に発売されたモデルであれば、ほとんどのケースで格安SIMへの移行が可能です。
通信費を抑えることは、iPadをもっと自由に、もっとアクティブに使いこなすための第一歩です。まずは自分のiPadの「SIMロック」が解除されているかを確認し、自分に合ったプランを探してみてはいかがでしょうか。


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